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管楽器木管楽器のタンポって何でついてるの?
最近はものすごく暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
突然ですが、問題です。
木管楽器のタンポは何で付いているでしょう!
正解は セラック です!
写真にもある色々なセラック(接着剤)でタンポがつけられています。
セラックとはラックカイガラムシという虫の体から分泌される液体から出来ています。
この液体はレモンの表面やチョコレートの光沢剤などとしても使われているんです
驚きですよね・・・
クラリネットやサクソフォンのタンポは柔軟性を持たせてしっかり穴をふさげる様、中にフェルトが入っています。
それをフィッシュスキンと呼ばれる薄い紙や革などの天然の素材を用いてコーティングを施している為、温度や湿度の変化によってタンポの表面の状態も変わっていきます。
瞬間接着剤のようなものでタンポを取り付けると、取り外しも困難で調整もキィをまげて行うしかありません。楽器にもよくありません。
ですが、セラックを用いてタンポの取り付けをしますと、熱することによってセラックが溶けるため、タンポの傾きなどを細かく調整することが出来ます!
なんと便利なんでしょう。
写真にもあるように、セラックにも様々な種類があり、溶ける温度も固さも異なります。
黒いセラックは固まると非常に固くなり、音のレスポンスも良くなりやすいです。
透明感のあるセラックは融点も低く、柔らかい為、優しい音色になる事もあります。
また白いシーゲルラックと呼ばれるセラックはオーボエやフォゴットのようなダブルリードに使用されます。温めて調整する際に非常にゆっくり固まるため、シビアな調整をすることができます。
このように様々なセラックがあり、メーカーや品番によっても使われているセラックは異なります。
もしタンポをたくさん交換する機会がある方で気になる方はお気軽にご相談下さい
また、セラックは調整するとき炎であぶって調整をしますが、この頃は車内などもかなりの気温になってしまいますので、車内に楽器を置きっぱなしにしていたりするとコンディションが変わっている!なんてことがあるかもしれません。
今回はセラックについてのお話でしたが、
そのほかにも楽器にとって高温になる事は良くないことが沢山あります。
楽器を持ち歩く際はいつでも自分と同じ環境に連れて行ってあげてくださいね