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管楽器中古管楽器には癖がある?
みなさんこんにちは。今日は中古の管楽器を買おうか迷っているお客様からよく聞かれる楽器の癖(くせ)について説明していきたいと思います。中古の管楽器は、前の奏者さんの吹き癖が残っていて、それが自分に合わないんじゃないか?ってことですね。ちなみに今回は楽器の中でも管楽器に絞ってお話しします。
まず結論から言いますと、管楽器にいわゆる癖は付きません。皆さんが癖だと思っているものは、楽器自体の経年変化か、或いは新品の時から変わらない、その楽器固有の特徴です。
それって癖という言葉を言い換えてるだけでは?と思う方もいると思います。それはまぁその通りなんですが、癖という言葉そのものがあまり良いイメージで捉えられないので、まずはそこを変えていければと思います。
ちょっと脱線しますが、吹くのが上手だなと思う人の楽器を借りて吹かせてもらったことはありますか?上手な人の楽器は、楽器の値段に関わらず、吹きやすい上に楽器がよく振動して音がより遠くまで届くような印象を持つことがよくあります。それは楽器自体が、沢山振動を与えられて、少しずつ状態が変化していったということです。良い意味で新品感の無くなったその音には、新品の楽器以上の価値があると言えるでしょう。
更に、新品の楽器の吹き比べをしたことはありますか?自分の楽器をお持ちの方の中には、楽器店で何本か新品の楽器を試奏してから購入した人も多いと思います。また楽器選びにこだわりたい方は、全く同じ楽器を何本も並べて吹き比べしますよね。それは、新品の楽器で同じ品番の楽器でも、少しずつ特徴が違うからです。新品とはいえ、管楽器は基本的に手作りですから、どうしても違いは出てきます。
新品でさえ自分に合う、合わないはあります。実は中古楽器選びも、本質的には新品の楽器選びと変わりません。大事なのは、それが自分に合っているかどうかです。ただ新品に比べ中古品どうしても選べる数が少ない上、癖があるというマイナスのフィルターを通して見てしまうため、せっかくの出会いを見逃してしまうことが多いんです。これはもったいないですね。このブログを読んで、少しでも中古管楽器に前向きなイメージを持ってもらえたら嬉しいです。
また管楽器を吹いたことがない方でも、中古品はオススメです。自分に合う、合わないが分からなくても、管楽器は前述の通り、吹くことで状態が変化していきます。更に値段も新品より安く、同じ値段でワンランク、ツーランク上の楽器が手に入ります。始めたいけど楽器は高いし、せっかく買っても吹きにくい楽器だったら…。と悩んでいる時間を練習に充てて、楽器を自分好みに育てていきませんか?
もちろん楽器は使っていけば色々なところが消耗していきます。消耗している量は新品より中古品の方が多いです。でもほとんどの部分はパーツの交換や調整でカバーできます。よく整備された、自分だけの中古管楽器をぜひ見つけてくださいね。
(ちなみこのブログでは中古管楽器をおすすめしていきますが、決して新品の楽器を否定する訳ではありません。新品の楽器ももちろんいいです。ただ絶対新品派の方も、「まだ誰も吹いてない管楽器というのは、この世に存在しない」ことは覚えておいてくださいね。管楽器は基本的に吹いて選ぶものですし、出荷前にメーカーで試奏検品をしなければ、それはまだ楽器として完成したとはいえないので…)